坂本冬休みに笑う

最近、年を重ねて、自分は以前ほど笑わなくなったと感じている。調べてみると、それはある意味で自然なことらしい。笑いとは、予想から少し外れた刺激に出会ったとき、その驚きによって頭をリセットし、新しい物事を受け入れる反応なのだという。経験を積むほど世の中の多くを知り、驚く機会が減る。その結果、笑いも少なくなっていくのだそうだ。そう考えると、私の日常には驚きが不足していたのかもしれない。

そこで私は、敬老会のお笑いショーに出かけてみることにした。お目当てはモノマネ芸人の「坂本冬休み」である。まず、その芸名に心をつかまれた。坂本冬美のモノマネをする芸人なのだろう。しかし、そもそも性別はどちらなのだろうか。もしかすると男性なのではないか。この「冬美」を「冬休み」に置き換えた絶妙なズレが妙におかしく、期待がふくらんだ。

敬老会への参加は今回が初めてだった。正直なところ、老人ばかりの集まりに一人で加わるのは少し気が引けた。しかし会場には関係者や役員など比較的若い人たちも多く、ほっと胸をなで下ろした。

いざショーが始まると、坂本冬休みさんは坂本冬美をはじめ、由紀さおり、中島みゆき、八代亜紀、美空ひばり、石川さゆり、研ナオコなど、次々と披露していった。声がいい。歌がいい。そしてモノマネが実にうまい。さらに驚いたのは、4、5回にも及ぶ素早い衣装替えだった。その手際のよさにも感心させられた。たいした芸人だと思った。

もちろん笑わせてもらった。しかし、それ以上に感じたのは感動だった。いつしか私は笑っているだけでなく、一人のエンターテイナーとしての力量に心を打たれていた。

芸歴25年とのことだったが、帰宅後にWikipediaで調べると、モノマネのレパートリーは84名にも及ぶという。さらに検索するとオフィシャルサイトも見つかった。そこには株式会社坂本冬休みの名前もあり、ということは本人が社長を務めているのだろう。その縦横無尽の活躍ぶりにもまた驚かされた。

それにしても、「坂本冬休み」という芸名は秀逸だ。思い出すたびに、つい笑ってしまう。

今回、私は新しい人物との出会いに驚き、たくさん笑い、そして少し感動した。年齢とともに笑う機会は減るのかもしれない。しかし、世の中にはまだまだ人を驚かせ、笑わせ、感動させてくれる人がいる。

ありがとう、坂本冬休みさん。楽しかったです。

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