Netlifyという、最初の畑
ホームページを始めたとき、最初に借りたのはNetlifyという「無料の畑」だった。ドラッグ&ドロップ一つで、世界に公開できる。プログラミング初心者の私には、十分すぎるほどありがたい仕組みだった。
ところが、ある日突然、その畑に「そろそろ地代をいただきます」という知らせが届いた。無料で始めたはずが、気づけば課金の通知。シニアの私には、なかなかの衝撃だった。
乗り換え先を探して
このまま払い続けるのか。それとも、別の場所に引っ越すのか。調べているうちに出会ったのが、Cloudflareという新しい畑だった。GitHubというところにコードを預けておけば、そこから自動でホームページを公開してくれるという。GitHubは、いわば畑のそばにある“倉庫”のようなものだ。種(コード)をそこに保管しておけば、Cloudflareがそれを畑にまいて育ててくれる。
言葉にすれば簡単だ。だが、実際はそう簡単ではない。ターミナルという黒い画面に向かい、gitという呪文のようなコマンドを何度も打ち込んだ。文字が反応しない、押しても動かない、突然古い内容が表示される――トラブルの連続だった。それでも一つひとつ確かめながら、なんとかGitHubとCloudflareを繋ぎ、無事に新しい畑へ引っ越すことができた。
旗を立てる
引っ越しが一段落したところで、もう一つ大きな決断をした。satofarms.comという、自分だけのドメイン(住所)を取得したのだ。商才があるわけではない。何をするか、明確な計画があるわけでもない。それでも、ホームページを育てていく上で、自分の住所を持つことは、ごく自然な流れだと思えた。
ドットコムは、ビジネスプランではない。旗である。「私はここに立っている」。その意思を示す旗だ。まず旗を立てる。何が始まるのかは、その先で見えてくる。
この1週間、両方の畑を同時に耕してみた
そして、今、Cloudflareのほうに一本化した。無料に戻ったことになる。
この一本道の、その先に
satofarms.comは、今はまだ一枚のランディングページに過ぎない。しかし、この住所を起点に、いくつか夢が描けている。
畑と田んぼの記録を、日本語だけでなく英語でも綴っていく。海外の誰かが、これをきっかけに中之条を、四万温泉を訪ねてきてくれるかもしれない。「日本の米づくりは、こんなにも美しいのか」と、驚いてくれる日が来るかもしれない。
将来的には、音声で話した言葉が、AIの力を借りてそのまま記事になる。そんな仕組みも思い描いている。農作業の合間にひと言つぶやくだけで、記事が公開される――そんなことも、やがて可能になるかもしれない。
もちろん、これらはまだ仮説の域を出ない。夢物語に終わるかもしれない。それでも、挑戦しなければ、可能性はゼロのままだ。
畑仕事も、ホームページ作りも、似ている。種をまき、水をやり、雑草を抜き、気長に育てる。今日もまた一つ、小さな作業を積み重ねながら、satofarms.comという畑を耕している。