受注システムの構築が最終段階に近づくほど、悩ましくなるのが 「システムからこぼれる例外」 の扱いです。
佐藤農園の場合、その代表が “直接お手渡しで受け取る” というケースです。
「送料を引けばいい」。そう考えれば簡単に見えます。しかし、システムに「送料なし」という選択肢を一つ追加すると、注文後の変更や返金、例外処理の分岐が増え、運用の負担が一気に膨らみます。
例外が増えれば返金が増え、手渡しの時間調整も増え、システム外で管理する仕事も増えます。そして、会員によって対応が違えば、
「あの人は手渡しできたのに、私は?」
という不公平感も生まれます。
だから私は、
「例外は存在してもいい。しかし、頻繁に発生してはいけない」
と考えています。
ここで重要になるのが、案内文です。
直接お手渡しでのお受け取りにも対応可能です。ただし、農作業の状況によりお受けできない場合があります。ご希望の場合は、必ずご注文前にご相談ください。
この三行で、手渡しを完全に拒否せず、しかし気軽な選択肢にもさせません。つまり、手渡しは「お客様が自由に選べる注文方法」ではなく、
私が事前に相談を受け、対応できる場合だけ認める“限定的な例外” です。
農作業は天候や季節の進み具合で大きく変わります。そのため、手渡し対応は 私自身が状況を見て判断する必要があります。
ここに、佐藤農園の受注システムの 三層構造 があります。
① 第一層:システム(通常注文だけを処理する)
システムは、全国向けの通常注文を正確に処理するための基盤です。例外をシステムに持ち込まないことで、壊れにくく、長く使える仕組みになります。
② 第二層:案内文(例外の存在は伝えるが、気軽には使わせない)
案内文は、例外の存在を丁寧に伝えつつ、「誰でも自由に選べる選択肢ではない」ことを明確にします。
③ 第三層:私の判断(農作業の状況を見て最終決定する)
注文の入口は、ネットでも電話でも対面でも構いません。しかし、最終的に管理する台帳は一つにまとめ、手渡し対応は 私が状況を見て判断する“限定的な例外” として扱います。
便利だからといって、すべてをシステムに組み込む必要はありません。
システムはシンプルに。案内は明確に。例外は私が判断する。
これが、農園のリズムを守りながら、長く使える受注システムをつくるための基本だと考えています。