秋の風が田んぼを渡り、稲穂がゆっくり揺れ始めるころ。
佐藤農園では、もうひとつの“収穫”が静かに形になりつつあった。
それが、農園から直接お米を届けるための仕組み──佐藤農園 お米直販システム。
通称、直販。
英語名は Sato Farms Rice Direct Sales System。
農園の仕事は、天気と季節のリズムに合わせて進む。
そのリズムを壊さず、お客様へ確実にお米を届けるための“道具”として、このシステムは生まれた。
1. 直販がめざしたもの
扱うのは、中之条町のおいしいお米「さとう米」(コシヒカリ)。
玄米30kgを基本に、20kg・15kg・10kgにも柔軟に対応。
精米もオプションとして用意する。
送料は、ゆうパックの実測サイズとゾーン別運賃をもとに自動計算。
決済は銀行振込のみ。
会員レベル(Lv.1〜5)を導入し、これまでの購入実績などをもとに、常連さんの優先度を自然に反映する仕組みも整えた。
注文画面、見積もり、注文確定、入金確認UI──。
必要な機能はひと通り揃った。
A4帳票も用意した。
注文確認書、作業指示書。
印刷すれば、そのまま発送作業に使える。
2. 農家のリズムに合わせた管理画面
管理画面は、発送作業の流れを壊さないように設計した。
中心にあるのは、ただひとつのボタン。
「入金確認しました」
これを押すだけで、次の作業へ進める。
運用は、
- 普段はスマホで軽く
- 忙しい日はPCでまとめて処理
という、農家らしい二刀流。
管理パスワードは、単語+数字で作る。
Cloudflare D1にデプロイする際、npx wrangler secret put ADMIN_SECRETで環境変数として登録する。
この瞬間が、パスワードを使い始める最初のタイミングだ。
農作業の合間に、こんな作業までやることになるとは。
少し前の自分なら、想像もしなかった。
3. いま、どこまでできているか
注文画面・見積もり・注文確定・管理画面・入金確認UIは、すべて完成。
Worker.jsも実装済み。
いよいよ本番反映を待つ段階まで来た。
残る作業は、
D1本番反映。
Worker本番デプロイ。
Secret登録。
admin.html公開。
そして、メール自動送信と会員レベル自動判定の仕上げ。
あと一、二日で完成する。
農作業には、種をまいてから収穫までの時間がある。
システムも同じだった。
構想して、作って、失敗して、直して。
ひとつずつ積み重ねて、ようやくここまで来た。
直販システムは、もうすぐ“稼働”という収穫期を迎える。
農園の一年と同じように、
静かに、着実に、形になっていく。