稲刈りから精米までの物語

① 稲刈り

秋の風が田んぼを渡るころ、稲はゆっくりと頭(こうべ)を垂れます。
「もういいですよ」と、合図を送るように。

コンバインが近づくと、稲はザワッと揺れ、黄金色の海が波打ちます。
刈り取られた籾は、固い籾殻に包まれたまま、まだ静かに眠る赤子のようです。

② 乾燥

乾燥機の中で、籾はゆっくりと水分を整えていきます。

熱すぎてもいけない。急がせてもいけない。

まるで我が子をお風呂に入れるときの湯加減を見守るように、農家は温度と時間を調整し続けます。

ここで焦らせると、籾が傷んでしまうからです。

③ 籾摺り

ゴムロールの間を通るとき、籾殻がふっと剥(は)がれ、玄米が初めて「素顔」を見せます。

青みがわずかに残る粒。
太陽をいっぱいに浴びて色づいた粒。
虫たちの痕跡を残した粒。

一年の物語が、ここで一気に姿を現します。

④ 異物除去

田んぼで一緒になった小石や砂利が、玄米に紛れています。

石抜機(いしぬきき)はそれらをそっと分け、

「ここから先は、お米だけで行きなさい」

と、送り出します。

⑤ 玄米選別

グレーダーが粒の大きさを揃え、色彩選別機が光を当てて、良い粒を選び出します。

選ばれなかった粒も、決して無駄にはしません。

自家製味噌の材料になったり、鴨たちの餌になったり、それぞれが別の物語を歩んでいきます。

⑥ 精米

玄米が精米機に入ると、ぬか層が少しずつ削られ、白い姿が現れます。

まるで着物を脱ぎ、晴れ着に着替えるように。

こうして、食卓に並ぶ「白米」が生まれます。

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