とうもろこし――ハクビシンとの知恵比べ

昨日、妻が採れたてのハニーバンタムを五本もらってきた。欲張って三本食べた。うまかった。文句なしに、うまかった。だから、毎年作ってきた。ところが、今年は作らなかった。理由は、毎度のことだ。ハクビシンである。

とうもろこしは、育つ姿を見るのが楽しい。葉が伸び、実が膨らみ、ひげ(絹糸)が黒くなってくる。「そろそろ採れるぞ」と、毎朝畑へ行くのが楽しみになる。

ところが、ここからが問題だ。「明日あたり、採れるかな」そう思って翌朝、畑へ行く。ない。正確には、あるにはある。しかし、無残な姿だ。実はかじられ、畑は荒らされ、ほぼ全滅。

「何匹来たんだ」犯人はハクビシン。一匹なのか、二匹なのか。それとも大集団なのか。夜のことなので、こちらには分からない。

ただ、相手はかなりの知恵者だ。ネットを張れば下から穴を掘る。穴をふさげば、今度はネットを食い破る。こちらが一手打つと、向こうは二手先を行く。電線を渡っている姿を見たこともある。まったく、どこからでも来る。

何年もやられてきた。迷ったあげく、今年はとうとう白旗をあげた。作るのを休んだ。

だから、今年の五本は、よそからいただいたものだ。ありがたく味わって食べた。

先日、地元の長老からハクビシン退治の話を聞いた。罠を仕掛け、餌にはリンゴを使う。それで何匹も捕まえたという。これはぜひ、もっと詳しく教わらねばならない。

そして、もう一つ、自分なりにたどり着いた答えがある。新聞紙だ。実が膨らみ始めたら、早めにひとつひとつ新聞紙で包んで隠す。地味な作戦だが、今のところこれが一番効く。

ハクビシンとの知恵比べ。来年は新聞紙の城を築いて、もう一度挑んでみよう。

なにしろ、とうもろこしは、うまい。三本食べてしまった男が言うのだから、間違いない。

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